何だかご機嫌そうなニャスパーを今日も腕に抱え、みんなの居るいつもの溜まり場へのんびり歩いて行く。
道中、フレンドリィショップの前で立ち止まり、そういえば切らしていた物があった気がする、と思い出し立ち寄った。
棚を眺めながら目的の物を探す。
ニャスパーが色々指しては、あれ！これ！と命令してくるが、総じて無視する。いつもの事だ。
すると、少ないが本を置いているコーナーで、難しそうな顔をして地図を見つめる少女が一人。
どの地図にするか迷っているのだろうか。
･･･そういえば、この間アホのレドでも分かる地図を発見したと話しているのを聞いたな。
少女の斜め後ろに立ち、地図を一冊指差し声を掛けた。
「これ、分かりやすいらしいよ。」
「きゃっ！？」
思った以上に驚かれた。声を掛けなきゃよかった。
そりゃあこんな身なりの奴がいきなり話しかけて来たらこんな反応になるよ。
と、不機嫌になった。
「あっ･･･す、すみません！これですね！ありがとうございます！」
「別に･･･」
やや素っ気ない態度をとると、またニャスパーが何か騒いでいる。恥ずかしいからやめてほしい。
「わあ！かわいいニャスパーですね！」
「ドウモ･･････ ･･･地図、読めた？」
「それは･･･えぇーっとー･･･」
「読めないんだね」
「うっ･･･」
どうせこの後は溜まり場に行くだけだし･･･
「･･･で、行き先は？」
「えぇーっと、」
「あ、その前に名前。聞いてなかった。」
「あっ、私リッカって言います！あなたは・・？」
「トワレ。」
あーあ、こんな無愛想な奴に捕まっちゃって、かわいそうなリッカ。
そんな事を考えながら、目的地へ向かった。